東芝、半導体分社化検討 米社やファンドが出資 IPOにはリスクも

 
東芝本社ビル(手前)と、シャープの東京の事業拠点が入るビル(奥右)=18日午後、東京都港区

 東芝が主力の半導体事業を分社化し、提携先のハードディスク駆動装置(HDD)大手、米ウエスタンデジタル(WD)などの出資を受ける方向で調整に入った。米原子力発電事業で数千億円規模の巨額損失を計上する見通しとなり、危機的状況にある財務基盤の改善を狙う。しかし、損失額次第では、虎の子事業の“部分売却”では済まなくなる可能性もある。

 東芝は18日、「分社化の検討を進めていることは事実」と発表した。早ければ年度内に分社化する。

 経営再建の途上にある東芝にとって半導体事業は原発事業と並ぶ経営の柱だ。東芝の平成28年9月中間連結決算の営業損益は967億円の黒字。このうち半導体事業は783億円だった。スマートフォンなどに使われる記憶媒体「フラッシュメモリー」は、韓国サムスン電子に次ぐ世界シェア2位で、今後も成長が見込まれる。

 三重県四日市市の同メモリー工場を東芝と共同運営するWDが出資の有力候補だが、投資ファンドも関心を示しているという。東芝は分社化後も株式の過半を握り、影響力を維持したい考えだ。

 東芝は原発事業の損失で財務が悪化し、資本増強が喫緊の課題となる。すでに医療機器子会社をキヤノンに売却するなど大きな事業売却の手段が限られる中、半導体事業の分社化で資金を捻出する。身を切る再建策を示した上で、主力取引銀行にも資本増強を支援してもらうシナリオだ。

 だが、2月までに確定する原発事業の損失額が膨らめば「半導体事業の部分売却では済まなくなる」との指摘もある。その際は、新会社の新規株式公開(IPO)で資金を得る案もあるが、幅広く投資を募れば、東芝の新会社への関与が薄まって本体の稼ぐ力が低下するほか、海外企業の買収攻勢にさらされるといったリスクもはらむ。