大和ハウス工業社長・大野直竹さん(68)

2017成長への展望

 ■好調賃貸住宅 安心・安全対策を徹底

 --2019年3月期までの中期経営計画の1年目で、利益を前倒しして達成する見通しだ

 「消費税増税が延期されて消費者心理が改善され、戸建て住宅の販売にプラス要因となった。営業利益2800億円、最終利益1800億円とした当初の目標数値は、前向きに見直す。今年5月の通期決算の時期に発表する」

 --投資金額の変更は

 「海外を含め、不動産開発に3カ年で7000億円という金額に変更はない。M&A(企業の合併・買収)の計画は500億円。昨年、米中堅住宅会社の買収で260億円以上使ったが、『500億』で打ち切ることはなく、良い物件があれば柔軟に対応する」

 --資産家向けの賃貸住宅、物流施設、ショッピングモールなどの事業施設といった、非住宅部門が伸びている

 「3カ年の計画の中で好調に推移する。事業施設は9000億円台を見込んでいたが、1兆円を超える規模になるだろう」

 --特に賃貸住宅が業績を牽引(けんいん)している。超低金利や相続税の強化が後押し要因だが、好調は2、3年後も続くか

 「いっときの金利、税法は大切だが、住宅自体が『住みたい』と評価を受けなければ追い風がなくなったとき一気にしぼむ。入居者の要望に応え、大家が安全に運用できるという根本が大切。防犯対策を徹底し『安心・安全なら大和ハウス』といわれるようにしたい」

 --ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウスゼッチ)は、高価でなかなか普及が進まない。固定価格買取制度のエネルギー購入価格が下がっている事情もある

 「世の中に必要だというご理解は相当進んでいるが、われわれが努力しなくてはいけない。逆風だろうが、真正面から進めていくことが正しいと思う」

 --海外展開は。米国ではドナルド・トランプ氏が次期大統領に就任する。

 「現在の米国では、景気動向がマイナス基調ということはない。積極的に動いていきたいと思う。大統領就任後どのような政策が取られるかが見えておらず、今の段階で影響のプラスマイナスを論じるのは早い。ASEAN(東南アジア諸国連合)では、部屋の清掃などホテル並みのサービスを受けられる出張者向けの賃貸施設『サービスアパートメント』の進出を決めたが、今後商品を限定せず幅広く売っていきたい」

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【プロフィル】大野直竹

 おおの・なおたけ 慶大法卒。1971年大和ハウス工業入社。2000年取締役。常務、専務、副社長を経て、11年4月から現職。愛知県出身。