三菱重工業社長・宮永俊一さん(68)

2017成長への展望

 ■MRJ開発、社長管轄で意思決定早く

 --重工業を取り巻く環境は

 「良くはない。新興国経済が低迷し、一部の国は今後も低迷する見通しで、当社の発電プラント事業も影響を受けるだろう。原油安で燃費向上ニーズが薄れる中、大型旅客機の生産量も少し落ちている。商船事業もてこ入れしないといけない。空調や冷熱機器、ターボチャージャーは堅実だ」

 --開発が遅れている旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」に関し、昨年11月に社長直轄の事業推進委員会を立ち上げた

 「もう一回、私が(計画を)見直した方がいいだろうと考えた。意思決定も早くする。どこに問題があって、(解決が)簡単ではないということは理解した。1月中には、現状について説明できるようにしたい」

 --5度目の納入延期が現実味を帯びている

 「それ(延期)も含めて検討している。現状では決して(2018年半ばの初号機引き渡しを)守れる状況にない。型式証明をいつとれるか読みづらい。(初号機を導入する全日本空輸などには)遅れる可能性が十分あるとは伝えており、ご理解いただいている」

 --造船事業では、今治造船など専業3社と提携協議を進めている

 「関係者の打ち合わせは順調と聞いている。どういう形(の組み方)になるかは、一番やりやすい形にしなさいとだけ言っている。生産の統廃合は急にはできないだろう。雇用は極力、動かさない」

 --原発事業では日立製作所、東芝と燃料事業の統合を交渉している。原子炉に踏み込む可能性は

 「炉型がまったく違うのでシナジーがない。原子力発電プラント向け蒸気タービンではすでに日立と一緒にやっているし、当面は再稼働で各社とも忙しい。だが、長い目で原子力がどうなるのかを考えた場合、そして(何十年も先の)第4世代の原子炉が実用化されたときは、どうなるか分からない。日本に3社も(原発メーカーが)あるのはしんどい。日本の産業政策上、再編の話があってもしかるべきだが、今の段階では簡単ではない」

 --特別損失の額を半減させようとしている

 「(損失リスクの洗い出しは)だいぶ終えつつある。客船は損失計上がほぼ終わり、米原発事業で約7000億円の巨額賠償を請求されている件についても、そう遠くない時期に結論が出る。MRJの開発費はもっとかかると思うが、2年ぐらいで懸念にめどをつけようと思う」

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【プロフィル】宮永俊一

 みやなが・しゅんいち 東大法卒。1972年三菱重工業入社。2006年執行役員、08年取締役常務執行役、11年副社長を経て、13年4月から現職。福岡県出身。