まだまだ買い増す
それでも、アースの大塚社長にあきらめる気配はない。
「(フマキラーの)株価が500円を超える高値なので、当面は買わないが、割安感が出れば買う。今はいとこ、はとこ程度の関係だが、もっと仲良しになれば多少のけんかをしても身内のけんかになる」
フマキラーがアースとの統合に執念を燃やすのはなぜなのか。
業績はいずれも絶好調だ。アースの21年6月中間連結決算は売上高が前年同期比7・0%増の618億円、営業利益が7・3%増の92億円でともに過去最高を記録。フマキラーも4~6月期連結決算で売上高が前年同期比4・2%増の94億円、営業利益が4・7%増の16億円と増収増益を達成した。
もともと不況でも虫の数が減るわけではなく、景気に左右されにくい。国内殺虫剤市場は20年が前年比1・4%増の1032億円で、5年連続のプラスを確保。21年は7月末時点で前年比約6%増と、さらに勢いを増している。
牽引(けんいん)役は、訴訟合戦の火種となった虫よけ商品だ。「虫がそばにいるだけで不快」という清潔志向が追い風になっているためで、虫よけ商品市場は、19年の131億円から21年に220億円超まで拡大する見通しだ。
特にフマキラーは独自商品の開発力に定評があり、窓やベランダにつるしておくだけで虫を寄せ付けない「虫よけバリア」などヒット商品を次々に生み出している。
不毛な過当競争
もっとも、国内殺虫剤市場は少子高齢化の影響で今後、大きな成長は期待できない。しかも、「同じ商社から同じ原料を仕入れ、似たような商品を製造し、多額の宣伝広告費を投入してシェアを奪い合う」(業界関係者)という不毛な過当競争を繰り広げている。