殺虫剤最大手のアース製薬と3位のフマキラーが激しく対立している。アースはフマキラーの株式を約11%保有する筆頭株主。経営統合を視野にさらなる買い増しを狙うが、フマキラーは徹底抗戦の構えだ。それぞれが相手の商品の販売差し止めを求める訴訟合戦も繰り広げている。両社とも業績は好調だが、国内市場の飽和で販売競争が過熱する一方、海外展開でもしのぎを削っている。互いに一歩も譲らず、殺虫剤バトルは泥沼の様相だ。
フマキラーがアース訴える 虫よけ器が「酷似」(7月17日)
外見と特許で応酬
「何をもって不正競争防止法に抵触するというのか理解に苦しむ。最終的には当社の言い分が通るだろう」
アースの大塚達也社長は4日の平成21年6月中間決算会見で、フマキラーが先月17日に起こした訴訟に不快感をあらわにした。
フマキラーの訴えは、アースが3月に発売した携帯型電池式虫よけ器「おそとでノーマットV130」が、自社の「どこでもベープNO.1 NEO」の外見に酷似しているというもので、東京地裁に販売差し止めの仮処分命令を申し立てた。
昨年7月にはアースがフマキラーの2商品に対し、自社の特許権が侵害されたとして同様の訴訟を起こしており、「意趣返し」との見方は強い。いずれも現在係争中で、両社とも「判断は裁判所に委ねる」と強硬姿勢を崩さない。
両社の対立の根は深い。アースは10年以上前にフマキラー株を取得。18年末から徐々に買い増し、今年4月時点で11・11%に達している。19年秋には非公式に経営統合を打診した。
これに対し、フマキラーの小谷真弘取締役管理本部長は「当社は売れるのが間違いないから、何でも売るという会社とは企業文化が違う」と対抗心をあらわにする。売り上げ規模で4倍以上のアースに飲み込まれるとの危機感は強く、創業家の大下高明相談役が株を買い増すなど自主独立を死守する構えだ。