肩落とす部長クラス
合併効果を追及する上で障害となりそうなのが、早くも漏れ伝わってくる「不協和音」だ。売り上げ規模で新日鉄の3分の1の住金からは「どうせ飲み込まれてしまうのだろう」との不安の声が聞こえてくる。
焦点だった新会社のトップ人事では、会長に新日鉄の宗岡正二社長が就き、社長は住金の友野宏社長が務める方針を固め、「対等」に腐心した。
だが、住金の部長クラスはがっくりと肩を落としているという。同社関係者は「(自動車用の)薄板、(造船向けの)厚板などを扱う部長ポストは軒並み新日鉄に奪われる。住金に配分されるのはうちが主力のパイプぐらい」とあきらめ顔だ。
三村会長は「たすき掛け人事はしない」「役員数も両社を合わせた人数にはしない」と明言しており、昇格ポストは大幅に減ることになる。
昭和45年に富士製鉄と八幡製鉄が合併し新日鉄が誕生した際、「社内哲学の違いが合併効果の発揮を遅らせた」(三村会長)との反省が背景にある。ただ、新日鉄主導で人事や組織改革が進めば、住金社員のモチベーションの低下や人材流出を招きかねない。(川上朝栄)