開発担当者の中央研究所研究第4部の阿部明彦課長は「ホイールと外側のゴムを放射状スポークでつなぐ場合に比べ、強度は数倍以上で、柔軟性も確保した」と胸を張る。タイヤ1本当たり最大300キロの荷重にも耐えられるという。製造コストも、原付きバイク用なら従来のタイヤと同等という。
課題は耐久性テスト
環境面では、これまでのゴム製タイヤは材料の約9割を占めるゴムを燃料としてリサイクルしていた。これに対し空気不要タイヤはゴムの部分が少ないため、使用後はゴムを細かく粉状にし、薬品を加えて再び空気不要タイヤに利用。これに加え、スポークには成形やリサイクルが容易な熱可塑性樹脂を利用したことで、「材料を100%リサイクルした上で、同じタイヤに戻すことができる」(阿部課長)。
地面に接する部分のゴムの溝がすり減った場合、新しいゴムに張り替える同社の「リトレッド」と呼ばれる技術を利用し、寿命を長持ちさせることも検討している。
実は、空気不要のタイヤは特殊用途としてすでに使われている。フォークリフトにはホイールの周りがすべてゴムでできているタイヤを採用。