また、シニアカーなどと呼ばれるハンドル付き電動車いすにも、空気の代わりにウレタン樹脂が詰められたタイヤが使われている。ただ、いずれも通常のタイヤよりも重くて柔軟性も劣るため、乗り心地に難があるのが欠点という。
空気不要タイヤを市販するには、長く使った場合の耐久性が課題だ。
大きな力を一度に加えても問題がないことは室内実験ですでに判明しているが、小さな力を長時間加え続けた場合については現在も実験を重ねている。
阿部課長は「原付きバイク用では走行距離数千キロレベルの耐久性で良いが、乗用車用では数万キロレベルが要求される。暑さや寒さ、高速走行にも耐える必要がある」。
このタイヤを昨年末の東京モーターショーに出品したところ、「特にパンクの多い自転車用として早く販売してほしい」との要望が多かったという。「今後も数年かけて評価し、実用化にめどをつけたい」と阿部課長は普及を視野に入れている。(大坪玲央)