本格的な普及が遅れている日本の電子書籍市場が今春、新たな展開に向けて動き出す。台風の目となるのはインターネット通販大手の楽天。1月に買収したカナダの電子書籍大手、コボの端末を低価格で投入し、書籍を中心に多彩なコンテンツをそろえて需要拡大を目指す。さらに米アマゾン・ドット・コムも、ほぼ同時期に格安の端末で参入するとみられ、市場が一気に広がる可能性も出てきた。
◆日本での成功に自信
「大きなシェアを獲得し、電子書籍の人気を日本でも大きく高められるはずだ」。今月13日の決算説明会で楽天の三木谷浩史社長は、コボの端末を割安な価格で普及させ、電子書籍の販売で利益を稼ぐビジネスモデルの成功に自信をみせた。
有力コンテンツの確保に向けた出版社などとの交渉は「順調に進んでいる」(担当者)という。楽天はさまざまな端末で利用できる電子書籍配信ストア「ラブー」を昨年8月にスタートさせ、既に3万5000以上のコンテンツを提供。コボの端末への対応も検討しており、技術的な調整を進めている。
交流サイト(SNS)のフェイスブックと連動し、友人と読書体験を共有できる「ソーシャルリーディング機能」も特徴の一つ。端末は3種類あり、欧米での価格は89~199ドル(約7100~1万5900円)だが、日本では「魅力的な価格」(三木谷社長)に設定するとしており、1万円を切る可能性が高い。