大王製紙の“お家騒動”が泥沼化している。創業家出身の前会長、井川意高(もとたか)被告による巨額借り入れ事件を機に経営陣が「脱創業家」を決断。創業家が保有する関連会社の株式の買い取りを要求したが、逆に創業家は関連会社の経営陣を入れ替え、支配を強化する争奪戦に発展した。経営陣による関連会社切りの動きも表面化し収拾がつかない状況だ。製紙業界では、お家騒動が「業界再編の呼び水になる」との見方も浮上している。
関連会社“争奪戦”
「今後も順次経営陣を入れ替える」
大王の2代目社長で、前会長の父親である井川高雄元顧問の宣言通り、創業家は着々と関連会社を手中に収めつつある。
今月12日のエリエールペーパーテック(栃木県さくら市)を皮切りに、22日にダイオーペーパーコンバーティング(愛媛県四国中央市)、25日に大宮製紙(静岡県富士宮市)の臨時株主総会を開き、過半数を握る議決権を盾に創業家が提案した取締役を選任した。今後も10社前後の関連会社で総会を予定している。
元顧問が不正融資を知ったのは昨年3月2日。急遽(きゅうきょ)、当時社長だった意高被告を会長にし、後任には「創業家の大番頭」(関係者)といわれ、信頼の厚い佐光正義社長を就けた。「不祥事が世間に露呈しても創業家を守ってくれるという思惑があった」(同)とされる。