【ビジネスアイコラム】輝き失った「日本ブランド」 地方で見つけた復活のヒント (1/2ページ)

2012.3.12 05:00

 日本を代表する電機メーカーのパナソニック、ソニー、シャープが苦境に陥った。最大の原因は、主力のテレビ事業の業績が急速に落ち込んだことだ。薄型テレビの世界シェアは韓国勢の後塵(こうじん)を拝し、挽回(ばんかい)のきっかけがつかめない。世界中で称賛されていた「日本ブランド」がかつての輝きを失い、各社が次の成長エンジンを探しあぐねている。

 各社は今こそ頭を冷やし、「自分たちにしか提供できないものとは何か」を、立ち止まって考えるべきときに来ているのではないか。

 日本ブランド復活のヒントをくれる人に、中小の靴メーカーが集積する「靴のまち」神戸市長田区で出会った。伊藤忠商事出身で昨年4月、1人で株式会社「神戸シューズ地域振興」を創設し、メーカーの自社ブランド確立を支援している獅々原(ししはら)孝司さんだ。

 かつて靴メーカー約450社、関連企業約1600社が集積した長田の街は、1995年の阪神大震災で約9割の工場が壊滅した。震災以前からの安価な海外製品の流入で長田の靴は次第に競争力を失い、震災の打撃が変化を加速させた。

 「靴のまち」をよみがえらせるために獅々原さんが取り組むのは、果てしない価格競争からの脱却だ。獅々原さんは「量販店ではなく、長田に受け継がれてきた高い技術力を生かせるワンランク上の市場」に売り込むことをメーカーにアドバイスしている。具体的には、靴をファッションとして位置づけてもらえるアパレルの小売店や百貨店に、問屋を介さずに直接販売する戦略だ。