日産が進める急速充電器の規格は10年、同社やトヨタ自動車など主要メーカーが中心となり設立した「CHAdeMO(チャデモ)協議会」が決めた。これには仏プジョー・シトロエングループ(PSA)や独シーメンスなども参加している。
今月26日には日本自動車工業会の志賀俊之会長が古川元久国家戦略担当相と会談し、チャデモ方式の国際標準化に向けて官民挙げて取り組んでいくことを確認した。
同方式はすでに、欧州中心の標準化団体であるIEC(世界電気標準委員会)や米SAE(自動車技術者会議)に提出されており、これまでに国内を中心に約1000カ所に設置した実績を武器に標準化に向けた活動に力を入れる。
政治的な対抗姿勢
これに対し、米ゼネラル・モーターズ(GM)や独BMWなど欧米7社が表明したのが「コンボ」と呼ばれる方式だ。
両規格の主な違いは、充電器と車をつなぐプラグ形状にある。ともに直流で急速充電、交流で普通充電を行うが、チャデモは直流と交流が別なのに対し、欧米勢は直流と交流を一体化した。充電器と車が相互を認識する通信方式も異なる。
ただ、コンボ方式の詳細は未定で、この方式を採用したEVや充電器はまだ存在しない。