日本EV規格「ガラパゴス化」懸念 欧米勢と充電器標準化めぐり火花 (4/4ページ)

2012.3.29 05:00

  • 試作した電気自動車を発表するシムドライブの清水浩社長=28日、東京都港区

 それでも、世界標準への期待は大きい。「数少ない日本独自の規格だから、世界に普及させたい」。1回の充電での走行距離が351キロと長いEV試作車を発表したEVベンチャーのシムドライブ(川崎市幸区)の清水浩社長は28日、日本の技術の優位性を強調した。チャデモ協議会の会長でもある自工会の志賀会長は5月で自工会会長を退くが、「チャデモの会長は是が非でもやり抜く」と、同規格の普及に意欲を燃やす。

 世界標準をめぐっては、日本の携帯電話は優れた技術を持ちながら国際的に受け入れられず、日本でしか通用しない“ガラパゴス化”した苦い経験を持つ。充電規格がもしガラパゴス化すればメーカーは充電機構や設備変更などのコスト負担を強いられる。国際的な標準化機関は欧米勢の発言力が強いが、充電規格ではそれを覆す周到な戦略が求められる。(阿部賢一郎)