左上は「radiko.jp」のHP。「キャララジオ」で検索するとこのようにアキバ系アニメのコンテンツが無数に出てくる。そのほか、「名探偵コナン」のラジオ番組(右上)まで存在する(明治大学・小池保夫ゼミ有志学生記者提供)【拡大】
radikoがそもそも難聴地域向けの補完メディアという位置づけであることも、エリアフリー化を萎縮させている。さらに、プロ野球のナイター中継などの権利料を払う資金力もない。ネット配信しているとはいえ、radikoはまだまだ発展途上なのである。
不可欠な法改正
著作権問題もエリアフリー化の妨げになっている。
2005年時点で、日本の地上民放放送事業者193社のうちラジオ事業者は101社ある。市町村を放送対象エリアとする全国のコミュニティーFM放送局を入れても280社に満たない。だが、日本に比べ放送に関する縛りが少ない米国には900社以上のラジオ事業者があるといわれている。
誰でも発信者になれるため、今後発信事業者が増えそうなネットラジオだが、日本では米国や英国に比べて、まだまだそれを取り巻く環境は厳しい。その理由のひとつに、「送信可能化権」の存在がある。
送信可能化権とは、「著作権」(作者が持つ権利)と「著作権隣接権」(レコード会社などが持つ権利)の両方に内包されて定義される権利のことである。つまり、作者やレコード会社などがこの権利を保有しているため、第三者がネットラジオで楽曲などを流そうとすると、「著作権」保有者と「著作権隣接権」保有者双方に、必ず許諾を得なければならないことになる。ちなみに、米国の著作権にはこの定義はない。世界に対し日本を発信していくためには、放送の仕組みの整備に加え、法整備も必要なのだ。