排熱を利用したパプリカ栽培工場。中小企業の技術力も重要な役割を果たしている【拡大】
ただし、パプリカの生産は極めてデリケートな農作業を必要とし、参入へのハードルは低くない。そのチャレンジを支えるのが中小企業。かつては「町の鉄工場」的存在だったトミタテクノロジー(横浜市)だ。
同社は耕運機やアルミ製救助ボートなどを生産していたが、3代目社長の富田啓明氏(52)が8年前から農業に本格参入した。農業生産法人のリッチフィールドを設立し、宮城県栗原市と大分県由布市でパプリカなどの栽培に取り組んでいる。
一方、今回の宮城のプロジェクトで実際に農場を経営するのは、豊田通商の関連企業である農業生産法人の「ベジ・ドリーム栗原」(栗原市、資本金1億円)。豊田通商の子会社、豊通食料が筆頭株主となり、08年7月に設立され、すでに同市内で生産を始めている。パプリカの生産・販売量では、トミタテクノロジーとベジ・ドリームは日本1、2位を競う間柄だ。
「ハイテク温室」先導
トミタテクノロジーは多角化の一環として、富田氏の父の時代から、施設園芸が盛んなオランダの企業と提携して大型温室の輸入代理業を開始した。国産化にも挑戦し、新たに環境制御装置などを開発した。紫外線殺菌装置などコンピューター技術を駆使した「ハイテク温室」を扱うノウハウを取得し、それをデリケートなパプリカの栽培に応用したのだ。