■個人資産6割保有 老後不安で「安全志向」
「自分はいつまで生きるのか」。東京都品川区に住む元会社員の男性(75)は不安でたまらない。持ち家があり、そこそこの預貯金と年金収入もあり、これまでは株式投資で小遣い程度は稼げた。だが、リーマン・ショックや欧州債務危機に見舞われ、株価は低迷。保有する資産は目減りするばかりだ。
◆預貯金に集中
老後の生活の支えとなる「お金」。約1500兆円に上る日本の個人金融資産のうち、6割を60歳以上が保有しているとされ、その多くは安全な預貯金に集中している。
民間調査会社ゲインが2月に、全国の50~70代以上の男女500人を対象に行った資産運用に関する調査では「将来の生活が不安」との回答が62.4%と半分以上を占めた。
一方で、「効果的に資産を増やした方法」では「定期預金」が29.4%で1位。「株式投資」は2位で、10.2%にとどまった。
東京証券取引所の斉藤惇社長(72)は「裕福なシニアは、お金をため込まず、投資を含めてもっと使ってほしい」と訴える。預貯金に眠るお金をいかに株式投資に呼び込むか。証券会社は知恵を絞る。
SMBCフレンド証券は4月から「『話せる』インターネット証券サービス」を充実させた。投資経験がなく、パソコンに不慣れなシニアが、サイト上の投資シミュレーションの使い方や、金融商品の内容について、電話で相談できる「悠々投資」というサービスを始め、専従スタッフを増員している。