長寿化が進み、老後の生活はますます長くなる。そのため、将来への不安から、資産運用の「安全志向」は強まるばかりだ。個人金融資産の投資への呼び込みは「今回も『永遠の課題』のまま終わりそう」(大手証券)との声も漏れる。
シニアの長生きへの不安に応えるアイテムとして人気なのが、文房具大手コクヨが2010年秋に発売した「エンディングノート」だ。自分の経歴や所有する預貯金、不動産、墓の場所、友人関係などを書いておき、法的効力はないが、もしものときに家族に自分の意思を伝えられる。販売部数23万冊と、大ヒット商品だ。
エンディングノートを使ったセミナーも盛況だ。4月に三越日本橋本店(東京都中央区)が開いたセミナーは満席。東京都江東区の女性は「自分の財産や死後のことが心配になって」と、参加理由を話した。
◆関心高まる相続税
株式投資と違い、高齢化でニーズが高まると期待される金融商品もある。「リバース・モーゲージ(逆担保)」だ。自宅など不動産を担保とし、資産価値の7割程度を上限に融資を受けられる。借り手が死亡した後に売却し、利息を含め一括返済する仕組みだ。シニアが保有する資産を有効活用する手段として注目されている。
東京スター銀行が05年9月に発売した「充実人生」は、これまでに約2000件の融資を行った。退職後に残った住宅ローンの借り換えやリフォームの資金などに利用されている。