パナソニックが11日発表した2012年3月期連結決算は、最終損益が7721億円の赤字(前期は740億円の黒字)となった。国内の製造業としてこれまで最大だった日立製作所の7873億円(09年3月期)に匹敵する水準。テレビ事業の立て直しなどで13年3月期は黒字転換を目指す。ただ、同社が描くV字回復のシナリオは「楽観的」(市場関係者)との声も根強い。
大坪文雄社長は大阪府内で開いた記者会見で「求められるのは何といっても収益。有言実行でV字回復を遂げる」と危機感を示した。
同社を過去最悪の赤字に追い込んだのは、韓国メーカーとの価格競争に加え、国内では地上デジタル放送移行に伴う特需の反動でテレビ事業が不振を極めたことだ。円高や三洋電機の買収に伴う損失計上も業績を圧迫。売上高は前期比9.7%減の7兆8462億円で2年ぶりに8兆円を割り込み、営業利益も85.7%減の437億円に落ち込んだ。