トヨタ自動車が昨年12月に開かれた東京モーターショーで公開した未来のEVコンセプト「ファンヴィー」【拡大】
スマホ連携強化の背景には、独自のアプリで付加価値を提供し、顧客を囲い込む狙いがある。新規ビジネス創出に詳しい野村総合研究所の高橋主(つかさ)上級コンサルタントは「各社とも今までにないカーライフ面での価値を見いださざるを得ないと試行錯誤している」と指摘する。
その一つの方向性が、通信モジュールを搭載する日産自動車のEV「リーフ」だ。電気を動力源とするため、「充電ステーションの場所を常に把握することが命綱」(業界関係者)だという現実的な側面もあるが、ネットワークをつなげることで、スマホやパソコン(PC)などから充電やエアコンの操作や燃費チェックが可能になった。
電機メーカーもスマホで目的地までのルートや関連情報を表示するサービスを始めているが、自動車各社も主導権を握ろうと懸命だ。(古川有希)