さらに、LCCの生命線といえるコスト削減を阻む要因もある。新たに雇用したパイロット、整備士は、経営破綻した日航など大手からの転職組が多く、人件費もそれなりに高い。客室乗務員をすべて契約社員とし、「転職を容認する」(ピーチ)など人件費抑制に努めているが、業界関係者の間には「安全運航にしわ寄せがくるのでは」と懸念する声もある。
国際線に目を転じれば、航空会社が路線や便数が自由に決められる「オープンスカイ」が25年度からスタートし、成田空港を中心に参入する海外LCCとの競争が待っている。だが、今のところ、国内LCCには安さ以外の武器はなく、このままでは際限のない価格競争に巻き込まれることは必至だ。
8月から成田を拠点に就航する全日空系のエアアジア・ジャパンの岩片和行CEOは「安いだけではすぐにあきられる」と肝に銘じている。LCCが日本の空で大きく飛躍するためには、いかに付加価値を付けるかにかかっているが、各社ともその答えをまだ持っていない。(鈴木正行)