メンツ激突…アップル・サムスン特許紛争長期化 日本勢「漁夫の利」狙う (3/3ページ)

2012.6.12 05:00

スマートフォンの世界シェア

スマートフォンの世界シェア【拡大】

 5月中旬、アップルが半導体メモリーのDRAMを日本のエルピーダメモリに大量発注したことが明らかになると、サムスンの株価は6%余り下落し、時価総額は100億ドル(約7970億円)以上も減少。さらに、アップルが新型アイフォーン向け液晶パネルの調達先をシャープなど日韓3社に決めたとの情報も流れた。残る2社はソニー、東芝、日立の中小型液晶事業を統合して4月に発足したジャパンディスプレイと、韓国LG電子。サムスンは外された形となり、アップルとの係争が得策でないことが浮き彫りになった。

 一方、テレビの不振などで苦境に陥った日本メーカーはこの機を逃すまいと必死だ。シャープは4月、電子機器受託製造で世界トップの台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業との資本業務提携に合意した。視線の先にはアップルがある。シャープの技術力と鴻海の低コストでの生産力を組み合わせ、高品質の液晶パネルを低価格で用意し、アップルへの供給量引き上げを狙う。

 サムスンも関係改善の糸口を探る。今月7日には、完成品部門を統括してきた崔志成副会長がCEOを退き、液晶パネルなどの部品部門を統括する権五鉉副会長と交代する人事を公表。「アップルとの和解を探る李健煕会長のシグナル」(アナリスト)との見方も広がっている。

 世界経済の先行きが不透明な中、アップルへの部品供給が持つ重要度は一層高まっている。同社を納入先とする日本の電子部品メーカーは数多い。法廷闘争の行方は日本企業の業績も左右しそうだ。(山沢義徳)