東芝が67%を出資するWHは足元、米国で6基を新規に受注するなど好調で、東芝は昨年9月、米ショー・グループが保有するWH株20%分を追加取得することを決めていた。しかし、今月1日、訪米した佐々木社長はWHに対する追加出資を見送る方針を示唆。さらに複数の企業から株式買い取りを打診されたとし「東芝としては出資比率51%以上でメジャーを取れればいい」とし、出資比率の引き下げさえにおわせた。
というのも、来年1月に予定されるショーからの株式買い取り額は1250億円に及び、これを買い取れば現状約1兆2000億円規模の有利子負債が膨らみ「財務への影響は必至」(アナリスト)とみられているからだ。 東芝のスタンスとしては、中長期的に原発需要は回復するとみているが、足元の財務状況も考えて、戦略を組み立て直さなければならないとの判断が働いた。
一方、原発事業の停滞をカバーするために東芝が戦略的に強化しているのが、世界2位のシェアを持つ記憶用半導体のNAND型フラッシュメモリーと、スマートシティーなどの新規事業だ。NANDは、スマートフォン(高機能携帯電話)向け需要の急増で、足元の営業利益率が20%を上回るうえ、コスト競争力の源泉となる微細化技術についても、首位の韓国サムスン電子に先駆け、線幅10ナノメートル(ナノは10億分の1)台のNAND量産に成功、技術的な優位性もある。
NAND大規模投資には慎重
一方、省エネ対応に必要な街づくりに必要な情報通信や関連機器の提供を一括で手がけるスマートシティー事業では、16年3月期に売上高で9000億円の事業に育成する考え。