東芝“試練”の時 どうなる原発、半導体事業 (3/3ページ)

2012.6.25 05:00

就任4年目を迎え、手腕を問われる東芝の佐々木則夫社長=5月17日の経営方針説明会

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 その実現に向け「必要なアライアンス(戦略的提携)を進める」(佐々木社長)方針で、実際、昨年7月に電力メーターを手がけるスイスのランディス・ギアを1700億円で買収したのに続き、米ヒューレット・パッカード(HP)や米IBM、中国現地企業などとの連携も協議。事業拡大に向けた布石を着々と打っている。

 ただ、頼みのNAND事業は、業績拡大に向け大規模な増産投資が不可欠だが、かつて世界トップを競った半導体メモリー、DRAMが投資競争に敗れ撤退を余儀なくされた経緯もあり、大規模な設備投資に対して、慎重な姿勢を崩さない。スマートシティーなど新規事業も、どう収益につなげるかの青写真を描き切れていない。

 東芝は、09年3月期に3435億円の最終赤字に転落。その後、収益変動の大きい携帯電話や中小型液晶から撤退する一方、発電など社会インフラとNANDに経営資源を集中する構造改革を進めてきた。しかし、経営資源を集中する事業で次々と買収を進めたことで自己資本比率は12年3月期で15.1%と、健全性を示す30%を大きく下回る。

 欧州債務危機で世界経済の先行きが不透明な中で、原発の遅れをNANDや新規事業で補い、財務基盤も立て直せるか。就任4年目の佐々木社長の手腕が改めて問われている。(今井裕治)