「韓国メーカーの盛り上がりを肌で感じた」
会場を訪れた大坪会長は危機感を口にし、後を追うように有機ELテレビの市場投入を表明した。このときすでに大坪会長には、単独では勝てない現状から別の日本企業と組む構想があった可能性が高い。というのも、会場内で「パートナーを作るなど幅広い選択肢を考慮して決めたい」(大坪会長)と発言していたためだ。
しかし、当時の熱気とは裏腹に、6月27日付で就任した津賀一宏社長は有機ELテレビについて「現在のテレビに近い価格にするには相当な時間がかかる」と冷静な姿勢をみせる。パナソニックとソニーという世界に誇る日本の製造業が世に送り出す今回の有機テレビだが、ある家電量販店の関係者は打ち明ける。
「開発面で韓国に肩を並べたとしても、赤字の印象が強い“パナソニー”のブランドが、どこまで消費者にとって魅力があるか疑問だ。それ以前に、有機ELテレビそのものが商品として当たるのかどうかも未知数だ」
価格、品質など多くの課題を前に、韓国勢に対抗できる画期的な有機ELを実現できるのか。歴史的な提携が“歴史的な破談”とならないよう、提携の中身を今後さらに詰める必要があるのかもしれない。