オランジーナ社は、欧州を中心に、炭酸飲料「シュウェップス」などのブランドで知られ、清涼飲料市場(水を除く)で米コカ・コーラに次ぐ2位。サントリーの海外事業強化を象徴する買収として、当時業界で話題を集めた。
オランジーナの日本での商品展開は、その当時から検討していた。日本だけでなく、アジア市場も視野に入る。日本市場での売れ行きは、その後の海外市場の成否を占うだけに、久米さんら食品事業部のチームが背負った重圧は大きかった。久米さんは「苦労は数え切れないほどあった」と振り返る。
まず、直面した課題は「オランジーナのブランドイメージを崩さずに日本でヒットさせるにはどうすればいいのか」ということだ。日仏の市場の違いを双方の担当者に理解してもらうことが欠かせない。わかりやすく説明し、粘り強く理解を得る努力を心がけた。
具体的な問題として浮上したのは、飲料の容器をどうするかだった。フランスでは、カフェなどで飲まれるガラスのビンが象徴的なのに対し、日本は店頭販売を念頭に置いていたためペットボトルと缶の使用が想定されていた。そこで考え出されたのが、「ビンをモチーフに丸みを帯びた独自のペットボトル」の開発だ。