さらに、「表面にでこぼこをつけること」でビンに近い感触を持たせた。フランス発の国民的飲料がやってきたという印象を強く打ち出すためにラベルに国旗をプリントするといった工夫も凝らしたという。
サントリーが得意とするCM戦略も見事に的中した。このテレビコマーシャルは、フランスの国民的飲料のイメージを生かすために、日本の国民的映画である「男はつらいよ」をモチーフにして制作した。寅さんの格好をしたフランス人「TORA」を、ハリウッド俳優のリチャード・ギアさんが演じる。「国民的」や「フランス」というキーワードで、オランジーナを印象づける戦略だ。
やってみなはれの精神
オランジーナは「炭酸飲料をあまり飲まない層にも浸透している」と久米さんはいう。オレンジやレモン、マンダリンオレンジの混合果汁の味わいや、オレンジピールを使用したほどよい苦みと炭酸を抑えた微炭酸が「大人の炭酸飲料」として20~40代の男女を中心に好評だからだ。小売店だけでなく、フランスと同様に飲食店での取り扱いも増加している。
久米さんの上司で同事業部課長の高木祐美さんは、オランジーナの成功の理由について、「久米さんのオランジーナへの強い思い入れが、他部門にも伝わり、社員が一丸となったため」と話す。情熱を持った若い女子社員を、先輩社員たちがサポートする、というチームワークが開花した形だ。