米菓業界、国産原料高騰に悲鳴 外国産に切り替え、やむなく値上げも (2/3ページ)

2012.9.25 05:00

手焼きせんべいを売る東京巣鴨のせんべい店「雷神堂巣鴨本店」の平野満夫店長。「原料はすべて国産が売りだから、国産米の価格高騰は頭の痛い問題」と話す=東京都豊島区

手焼きせんべいを売る東京巣鴨のせんべい店「雷神堂巣鴨本店」の平野満夫店長。「原料はすべて国産が売りだから、国産米の価格高騰は頭の痛い問題」と話す=東京都豊島区【拡大】

 「日本一のしょうゆの街」として知られ、せんべいを観光資源とする千葉県野田市でも複数の老舗せんべい屋が値上げに踏み切った。同市の老舗せんべい店「米澤屋」は5月にしょうゆ味の「野田せんべい」を53円から58円に値上げ。ほかの一部の商品も5円の値上げに踏み切った「原材料だけでなく、包装用の袋の材料費も高くなったことが影響した」とうなだれる。

 米菓の国内最大産地である新潟県の米菓メーカーにとっても深刻な問題となっている。

 最大手の亀田製菓は主力商品である洋風せんべい「ハッピーターン」など一部商品にミニマム・アクセス(MA)米などの輸入米を使用し始めた。また、岩塚製菓もせんべい「あずま焼き」に米国産のうるち米を使うなど、国産よりも安価な材料に切り替える動きが目立ってきた。「もとが安い商品なので、値上げするとインパクトが大きい。消費者の買い控えも懸念されるので、原料高騰分を販売価格に転嫁するのは難しい」(亀田製菓)と話す。

「イメージのよい国産米に切り替え始めた」