メニューを見ると生ハムやパスタなどイタリア料理の王道の皿が並んでいる一方、イタリア料理ではないハンバーグや、イタリア人がみたら珍妙であろうミラノ風ドリアなど、かなりゴチャゴチャだ。魚料理がなく値段が上がらない工夫がされている。
約千店舗を展開するサイゼリヤのコストパフォーマンスに感服しないわけにはいかない。こうしてサイゼリヤに興味をもったぼくは、同社に関する記事に注目するようになり、面白い一言に出会った。
サイゼリヤの会長が「フードサービスの場合、『手作りはおいしい』などと誤解している人が多い。けれど手作りでやっている限り、絶対に良くならないんですよ」と経済誌のインタビューで話していた。
外食産業にある味や値段の機能的価値と手作りから得られる思いなどの情緒的価値の絡み合いを指摘している。