子供に人気の「アンパンマン自動販売機」=大阪市平野区の「ダイエー長吉店」(宇野貴文撮影)【拡大】
同社は平成12年から、日本語、英語、ポルトガル語、中国語の4言語のほか、関西弁など方言に対応した「おしゃべり自販機」を展開してきたが、震災から1年を経過した今年3月から盛岡弁、仙台弁、福島弁のバリエーションも追加。被災地を元気づけるとともに、消費者を逃さないよう躍起になっている。
発祥は話し好きの“大阪”
実は、おしゃべり自販機を約30年前に業界で初めて設置したといわれるのがダイドードリンコ。当時は「うるさいと指摘されたり、気味悪がられたりした」(広報担当)ため、定着はしなかったという。しかし、現在は音声技術が進化し、プロの声優や著名人の表情豊かな声も収録し、消費者にも親しまれるようになっている。
キリンビバレッジ(東京都)も平成22年から、名古屋開府400年祭を記念し、名古屋市の河村たかし市長、タレントの矢野きよ実さんが名古屋弁で「今日もええ日にしてちょうよ!」などと話しかける自販機を、名古屋城内や名鉄レジャックなどに約40台設置している。
現在は矢野さんの声しか聞けないが、同社の担当者は「ラッピングもして目立つこともあり、売り上げアップに貢献している」と満足そうな表情をみせる。
販売拠点になるだけでなく、「おしゃべり機能」でセールスマンとしても存在感を発揮する自販機。今後は誰の、どんな言葉が聞こえるのか楽しみだ。(宇野貴文)