【わが社のオキテ】“営業的なウソ”はダメ！　業界の常識へ反発する麗人社 (3/3ページ)

　「私が作家の先生にお会いすると、社員をほめてもらうことがたびたびある」と誇らしげに話す。これが作家と営業マンとの信頼関係につながり、同社の経営基盤の強化につながっている。

　野口社長の発想は、他にも発揮されている。

　例えば、社員による「不満大会」を開かせたことがある。野口社長自身は不参加で、社員が会社の良くないと思う点を付箋（ふせん）に書いて会議室の壁に張りだした。

　社員に根づいた「人に頼らない」意識

　床にものが落ちていても誰も拾わない▽朝礼に元気がない▽共同炊事場のスポンジが汚いまま－などなど。日常の不満がいっせいに表面化し、社員の間からさまざまな意見が出たが、行き着いた結論は「会社のせいではない。自分たちで解決すること」だった。

　「人に頼らない。自分のスキル、知識だけを頼りにする」。野口社長が社員に植えつけた意識は、社員の自主性を目覚めさせ、業界の中で同社の際だった強みになっている。（南昇平）

◇会社データ◇

本社＝大阪市北区梅田１－１－３

設立＝平成６年７月

事業内容＝美術品の出版・展示会開催

売上高＝３億円（平成２４年３月期）

従業員数＝３０人（同１０月現在）