LCC専用の「第2ターミナルビル」の内部。殺風景な印象はぬぐえない…=関西国際空港(沢野貴信撮影)【拡大】
平成26年夏には、国際線便数に占めるLCCの割合を現在の14%から26%に引き上げる方針。長く利用低迷にあえいできた関空にとって、集客力の高いLCCの誘致は成長の要だ。第2ターミナルでは1社あたりの使用料などの収入が減ることになるが、「薄利多売」を狙うというわけだ。
また第2ターミナルは商業スペースも充実。お酒や化粧品を試せるコーナーがある免税店や、24時間営業のカフェなど17店舗をそろえ、「商業系収入もしっかりと高める」(安藤社長)考えだ。ターミナル脇には芝生の広場やジョギングコースなどを備えた公園も設置。航空機の利用者以外も呼び込み、収入増につなげる構えで、新関空会社の執念すらがうかがえる。
安い運賃で利用者を引きつけたいLCCと、安い使用料でLCCを呼び込みたい新関空会社。LCC専用ターミナルは、むしろ両者にとって“上得意”を作るために、なくてはならない施設だといえる。(中村智隆)