東京国際映画祭の知名度はカンヌ、ベルリンといった伝統ある国際映画祭には遠く及ばず、当面の目標は「アジアのゲートウェイ」。だが、移民の多いカナダで毎秋開かれるトロント国際映画祭が似通う目標を掲げているほか、韓国・釜山や中国・上海の新興映画祭が政府の強力な支援も得て急速に台頭するなどライバルも少なくない。
東京国際映画祭のイベントに参加した枝野幸男経済産業相は「『クールジャパン』を推し進めてきた中で、文化や芸術の力が最も大きく現れるのが映画」と持ち上げた。その力を、政府がどこまで引き出せるのかも問われている。(藤沢志穂子)