MVNO契約者数(累計)【拡大】
携帯電話事業者の通信回線の一部を借りて独自サービスを展開する仮想移動体通信事業者(MVNO)の契約数が急増している。今夏時点の累計契約者数は520万件を突破、年率4割近く伸びている。
国内市場の成長鈍化で携帯電話全体の契約者数が頭打ちの中、安価に独自サービスを提供できるMVNOは今後の成長株。ただ、事業者間で接続料金をめぐる訴訟が起きるなど課題も浮上している。
MVNOは通信市場への新規参入を促すため、総務省が2000年代初頭から推進。01年にデータ通信会社の日本通信がDDIポケット(現ウィルコム)からPHS用データ通信網を借り、世界初のMVNOによるデータ通信サービスを始めた。
その後、データ通信、音声通話とも新規参入が続出。ウォルト・ディズニー・ジャパンがソフトバンク回線を利用し、独自携帯電話「ディズニー・モバイル」を手がけるほか、象印マホービンはNTTドコモ回線を使い、独り暮らしの高齢者が給湯ポットを使うたび遠隔地の家族にeメールが届く「みまもりほっとライン」を展開。