一方で、「条約などの条文は一部を見るのではなく、全文を見なければならない。この条約が日本でどういう法的効力があるのかも考える必要がある」という。
三柴教授によると、締結された条約は国内法と同等か、それよりも上の存在。国内裁判所が、そのような条約の条文に基づいて判断を下すこともできるが、憲法との関係では条約の方が下回るというのが通説だ。FCTCの条文にも「憲法又は憲法上の原則に従い」という文言が含まれており、広告規制には、憲法で認められた「事業活動や表現の自由」との関係が問題になる可能性があるという。
また、日本にはたばこ産業の発展と税収の安定的確保を目的とした「たばこ事業法」がある。三柴教授は「国民の合意がたばこの販売を認める法律として結実していると考えられるため、適切な範囲内での広告は国内法的に認められると解釈される」としている。
日本タバコフリー学会からの要望を受けた厚生労働省健康増進課は「たばこの広告に関しては財務省の管轄」との立場。財務省たばこ塩事業室は「わが国ではFCTCへの加盟を受けて平成16年3月に定めた『製造たばこに係る広告を行う際の指針』によって、広告に規制をかけている。JTの広告は指針に抵触しておらず、問題はない」としている。