NTT東日本などが参画するアニマルパスウェイ=山梨県北杜市(同社提供)【拡大】
清里の森にはニホンリス、ヒメネズミ、モモンガなどの樹上生活動物に加え、国の天然記念物で環境省レッドリスト準絶滅危惧種にも指定されているヤマネ(体長6~8センチ)が生息。ヤマネは10月から4月ごろまで冬眠するが、森林が分断されれば食糧確保が困難になるうえ、繁殖機会も減り、絶滅の縁に立たされかねない。
ヤマネ保護のためには「細分化された森と森を自由に往来でき、昔の一つの森と同じような環境にすることが必須だった」(NTT東日本山梨の小林春美CSR推進室長)。そこでパスウェイ構想が持ち上がった。
地元のヤマネ保護グループらの提唱で、パスウェイの原型となる「ヤマネブリッジ」が設置されたのは1998年。ただ、当時の橋は総工費が2000万円と高額なうえ、雪害や雷雨にも弱く、リスなど小動物の利用はほとんど確認されていなかった。