日本のものづくり大丈夫か 工作機械、内需縮小で海外生産シフト加速 (2/4ページ)

2012.12.1 08:00

工作機械の受注額

工作機械の受注額【拡大】

 その一方で、海外のウエートは07年に内需を上回って以降、高まるばかり。12年には全体受注額の7割を占め、内需との差は2倍以上となった。

 もっとも、円高は工作機械業界自体も直撃している。オークマやツガミなどの大手は国内の主力工場を建て替え、ラインの見直しや最新設備の導入などで効率化を急いでいるが、外需が増えるにつれて為替リスクが高まるのは避けられない。このため各社は軍事転用関連の規制に該当しない汎用(はんよう)品などに絞りながらも、海外シフトを急いでいる。

 森精機製作所の森雅彦社長は「企業として先々も成長するため、海外へ打って出る」と言い切る。同社は06年にスイスのディキシー・マシーンズを買収し、09年には欧州最大手の独ギルデマイスターと資本・業務提携。今年7月に米カリフォルニア州で同社単独では初となる海外工場を稼働させ、13年9月には中国・天津工場が動き出す。今後10年以内に、インドやブラジルにも工場を整備する方向だ。

海外生産シフトは中堅メーカーにも及ぶ