日本のものづくり大丈夫か 工作機械、内需縮小で海外生産シフト加速 (3/4ページ)

2012.12.1 08:00

工作機械の受注額

工作機械の受注額【拡大】

 ヤマザキマザックも海外での生産力拡充を急ぐ。13年3月までに中国・大連で新工場を立ち上げるほか、航空向けの需要が旺盛な米国では、ケンタッキー州の工場の生産能力を13年秋をめどに約1.5倍の月産200台に引き上げる。富士機械製造も13年から、中国の江蘇省で数値制御旋盤の生産を始める。

 拭えぬ「内憂外患」

 海外生産シフトは中堅メーカーにも及んでいる。日本工作機械工業会が3月に行ったアンケートで、54社から得た有効回答のうち「海外で生産している」は18社(32.1%)、「検討中」が8社(14.3%)と合計で全体の半数近くを占めた。工業会では、国内各社の海外生産比率が直近の12%弱から20年には20%超に高まると予測する。

 現地企業の需要を取り込むため、販売網の拡充も急ピッチだ。ツガミは8月にアジア事業の販売統括拠点をシンガポールに設け、9月にはインドの拠点も稼働させた。ベトナムに現地法人を設立する牧野フライス製作所の牧野二郎社長は「海外でスマートフォン(高機能携帯電話)生産などの受注を獲得したい」と意気込む。東芝機械も13年初めをめどにインドネシアとブラジルに現地法人を設ける。

「内憂外患」に陥りかねない気配も漂う