A国では「消費者が一目でコピー品とオリジナル品の区別がつくか?」が、デザインの類似をみる際に優先的な項目になる。いわば素人目線の重視だ。B国では素人の意見もヒアリングするが、意匠の専門家による形状の定義が尊重される。
スマートフォンもタブレットもグローバルコミュニケーションの象徴である。各国の伝統や文化とはあまり関係のない「世界を股にかける」モノだ。ソフトウェアにおいては地域適合が求められても、ハードのデザインにそのような配慮はあまりない。
「我々はグローバルに動き回る先端的なユーザーを相手にしている」とメーカーは語り、ユーザーもボーダレスを謳歌することを夢見る。
しかし「競合製品と類似であるかどうか」が法の世界に入ったとき、デザイン観の地域差がビジネスの生命線を決定する要素になっているのだ。
法律の解釈の仕方は文化理解の鍵である。アップルとサムスンの係争にはネガティブな面も多いが、両社が多くのアドバンテージを得る、との面もあるに違いない。