小泉成器の女性社員7人が所属している理美容家電の企画・開発チーム(同社提供)【拡大】
同社関係者はこう話し、そのためために男性が多い営業や顧客サービスの担当者を対象に、企画・開発チームの女性社員が早朝から勉強会を開くなど、社内での情報共有も徹底している。
追い詰められる大手メーカー
野村総合研究所によると、国内の理美容家電市場は25年に1500億円以上に達すると予測されている。テレビ販売などが低迷する家電業界にとって“救世主”といえる。ドライヤーや美顔器などを販売するパナソニックはシェア8割を超す商品もあり、エステ家電市場をほぼ独占。しかし、小泉成器をはじめ、今後は小回りの効く柔軟な経営で女性のハートをつかもうとする中堅メーカーが脅威となるおそれもある。
理美容家電に詳しい専門家は「今後、中堅企業による理美容家電の参入は増加するはず」と分析。その上で「中堅企業は分野に特化した専門性が高く、大手よりも低価格で、消費者のかゆいところにも手が届く商品を多く出せる可能性は高い」と指摘する。
巨額の赤字経営に苦しむパナソニックにとってエステ家電は確実に収益を上げられる分野だったが、市場間競争は今後激しさを増しそうだ。(板東和正)