東海道新幹線の車両点検作業。車体を解体し、緻密に安全性を検査する【拡大】
安全、安定走行に最新設備を投入
東海道新幹線の平均遅延時間の36秒は台風や大雪などの影響も含み、自然災害がなければ、ほとんど遅延はないレベル。「最新システムへの不断の設備投資と、社員の練度向上がすべて」。JR東海の関雅樹・新幹線鉄道事業本部長は、こう話す。
JR東海発足後、国鉄時代の約20年間にわたる設備投資額の約4倍を自然災害対策に投入、大雨などによる運行制限が大幅に減った。耐震補強、世界に例のない脱線防止装置の導入など安全、安定走行に最新設備を投入し続ける。
さらに“人の力”も見逃せない。運転士は、常に次の到着(通過)駅までの距離を考え、速度を計算しながら走る。新幹線の運行は秒単位で管理。駅への到着(発車)や通過時刻は15秒単位で組まれている。1分以上遅れると、全列車の運行を把握する「新幹線総合指令所」に警報が出され、運転士、指令所が一体で回復に全力をあげる。