ホンダの伊東孝紳社長【拡大】
ホンダ社長・伊東孝紳さん(59)
--軽自動車「Nシリーズ」の販売が好調だ
「(2008年の)リーマン・ショック以降、世の中や経済の構造が変わった。当社は環境意識の高まりに対応してハイブリッド車(HV)のラインアップを増やすとともに、軽の開発を強化してきた。臥薪嘗胆の3年間だったが、Nシリーズは非常によいアウトプットとなった。ホンダが日本で生きていくために軽は不可欠な存在となり、2012年はリーマン・ショック後に手を打ってきたものが成果として表れた記念すべき年だった」
--Nシリーズヒットの要因は
「国内の軽市場はスズキ、ダイハツ工業の2強が切磋琢磨(せっさたくま)する時代が長らく続いていたが、ユーザーにとっては毛色の違うホンダの軽が出てきたことで新しい選択肢が出てきた。生産体制では、東日本大震災で本田技術研究所(栃木県)が被災したのをきっかけに、鈴鹿製作所(三重県)に軽の開発から生産、購買、営業を集結させ、Nシリーズに関することはすべて鈴鹿で完結する体制を指示した。東京本社や栃木の方を向くな、と。社長が口を出さなかったことも要因かな」