半導体の世界出荷額【拡大】
政府支援の副作用
世界半導体市場統計(WSTS)によると、12年の世界の半導体出荷額はパソコンの販売不振などで前年比3.2%減の2899億ドル(約23兆円)にとどまるが、13年はスマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末向けの牽引(けんいん)で4.5%増の3030億ドルに反転する見込み。メモリー事業の拡大で投資負担が膨らめば、市場がシステムLSIの再編へと東芝の背中を押すことになるかもしれない。
一方、官主導によるルネサスへの経営支援には業界内に不満がくすぶる。
「全日空のような立場になることは到底、歓迎できない」 公的資金の投入で復活した日本航空がライバルの全日本空輸をしのぐ利益を上げていることを念頭に、電機大手のある幹部はルネサスの今後への警戒感をあらわにする。
ルネサスは、政府保証枠で1.8兆円の投資能力を持つ革新機構が同社の株式の7割弱を取得し、経営権を握る。同社のマイコン技術が、自動車産業など国内の基幹産業の競争力維持に欠かせないとの国の判断と、民間の自助努力で国際競争を勝ち残れなくなった国内半導体産業の凋落(ちょうらく)が背景だ。