この連載コラムで「欧州のドライバーはブレーキの効きに煩いが、内装の軋み音は日本人ほど気にしない」と書いたら、家電メーカーの方からフェイスブックのページにコメントを頂いた。
「日本のユーザーは冷蔵庫内の作動部分のノイズをあまり気にしないのですが、欧州ではクレームがつきます。クルマの話、反対ですね。納得がいかないです。本当ですか?」 そうしたら自動車メーカーの方から「たしかに欧州は日本ほど内装の軋み音を気にしませんね」と書き込みがあった。
日本は一般的にノイズに敏感と思ってきたぼくは、冷蔵庫の事例を意外に感じた。そこで少し考えた。クルマの車内をどういうアナロジー(類推)で捉えるか? これが欧州と日本で違うのではないか、と。
イタリアの家電メーカーが冷蔵庫の宣伝ポスターに自動車のミニを並べた例がある。日本で冷蔵庫といえば洗濯機と共に白物家電の代表だが、欧州における冷蔵庫はインテリアデザイン商品に近い。オシャレさが要求される。
米国のスーパーでカップ麺はスープの棚に置かれる。そしてスープは飲み干すものだ。だから米国向けのカップ麺のスープの味は日本より薄くしないといけない。
このようにカテゴリーの概念の違いが商品の見せ方や特徴を決める。