なぜ日本のユーザーは自動車の軋み音を嫌がるのか 欧州は寛容だが… (3/3ページ)

2013.1.13 06:00

 「やはり欧州でも車内は『建築インテリア空間』であるとの見方は捨てきれない・・・」

 実は、議論はここで止まっており、これから深めていきたい。ただ、この途中の議論でも幾つかの示唆は得られる。

 前述したように、受容されるノイズや音の地域による違いをみることで、市場で商品がどういうカテゴリーと見なされているかのヒントになる。音の背景にある考え方を掴むわけだ。

 ハイブリッドカーはエンジン音がしないために歩行者に存在を気づかれにくい。デジカメでもカシャッという音がでないと撮影した気になれない。それまで主流だった技術への馴れやイメージのギャップから生じている現象だ。

 しかし、伝統的な範疇との関係だけが考察の対象ではない。

 現在、新興国ではフィルムカメラを知らず、スマホで写真を初めて撮影する人たちがいる。内燃機関を経験せずに電気自動車というパターンもある。いや、先進国でもアナログを知らない世代が育ってきている。

 彼らに必要なノイズとは何なのだろう? ユーザーの考え方の変化を知るためにも、ノイズに絶えず聞き耳を立てる必要がある。

 ローカリゼーションマップとは? 異文化市場をモノのローカリゼーションレベルから理解するアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だ。

 安西洋之(あんざい ひろゆき) 上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。今年は素材ビジネスやローカリゼーションマップのワークショップに注力。著書に『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのフェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih

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