さらにノイズの話を続けよう。
クルマメーカーの方は「欧州人は機械から発生する音には寛容ですよね」、と説明する。掃除機もガーガーと凄い音がする。日本製と比較すると猛烈な騒音だ。それでも平気でいられるのは、モーターが音を出すのは当たり前と考えるからだ。欧州の公共トイレに設置されているハンドドライヤーも、どれも騒がしい。
一方、建築空間で壁がミシミシいうのは気味が悪い。どこか壊れているのではないか、と心配する。これは日欧共通だろう。
ここで仮説だ。
日本のユーザーがクルマの内装の軋み音を嫌がるのは、車内を「建築インテリア空間」と見立てているからではないか。反対に欧州のユーザーは車内を機械の一部とみなしている。「建築インテリア空間」であればノイズはマイナスにしかならない。が、「機械空間」のケースではさほど問題にならない、というわけだ。
家電メーカーの方のコメントがふたたびあった。
「クルマの内装に軋み音がすると、弱々しくチープで信頼感が薄れます」
「機械空間」というコンセプトであるなら、「機械空間」なりの音である必要があり、内装の軋み音はそれにあてはまらない、という意見だ。もちろん、欧州人も内装の軋み音を肯定的にとるわけではない。仮にあっても日本のユーザーほどには気にしない、という比較の話をしている。
しかし家電メーカーの方は、こう追記する。