賃料水準下がり続ける神田
再開発で盛り上がりをみせる大手町に対し、隣接する東京・神田は、古い中小賃貸ビルが多く、賃料水準も下がり続ける苦境にある。かつては、大手町に本社を持つ企業が、神田の中小ビルに会議室や分室などのサテライトオフィスを設けてきたが、大手町再開発で広くなったフロアでカバーするようになり、それらの需要が減ったためだ。
この地域で、不動産事業を行うアースウィンド神田店の営業員は「建て替えしても、賃料上昇はさほど見込めない。新耐震基準以前の昭和55年完成のビルの場合、1坪(約3・3平方メートル)、月額8千円まで賃料を値下げしているところもある」と実情を説明する。大手町のある千代田区平均の賃料は1万8千円前後だ。
新たな需要を掘り起こせるのか、さもなくば、撤退か。神田ではビルオーナーに厳しい選択が迫られている。