高松空港に緊急着陸した全日空のボーイング787=16日午前10時35分【拡大】
16日午前、山口宇部発羽田行き全日空便ボーイング「787」が離陸間もなく機内で煙が発生し、約20分後に高松空港に緊急着陸した。これを受け、全日空と日本航空は同日、それぞれ同型機の運航を当面中止することを明らかにした。
全日空は17機を保有して国内線と国際線で運航しており、原因が判明し安全が確認されるまで運航を中止する。7機を保有し国際線で運航している日航も既に点検している機体を含めて全て緊急点検する。世界に先駆けて同機を導入した両社は、事故原因の究明に時間がかかれば事業戦略の修正を迫られる可能性がある。
787は現在、全日空が国内12路線、海外4路線で使用、日航は欧米線を中心に海外6路線で運航している。
米ボーイングによると、世界で運航される787のうち、約半数が日本の航空2社で使用。最新鋭機という珍しさもあって「同じ路線でも、787と別の機種を使う場合では、搭乗率が10%高い」(全日空)としており、利用客増の呼び水効果も発揮している。