他方、日本市場のみでは売り上げ増が期待しづらい。「輸入」に加え「海外市場開拓」の発想が必要だ。「ASEANで生産した製品を日本以外の国でも売る」との段階に入った。今までに経験したことがない二つの問題に直面している。
「台湾ならIT産業はもとより金型が強い。シンガポールは節税の国。インドネシアは大企業の生産拠点として外せないし市場規模は魅力だけど、中小企業がビジネスをするにはまだまだ潜在的リスクが高い。だいたい水道が使えないところがジャカルタ郊外でも多い…それに比べると、これから伸びるミャンマーへのアクセスも考えるとタイの評価点は高い」とA氏はアジアの勘所に触れる。
ASEANに対してこういう勘が効いていない人の「エイヤッ!」は怖い。インドネシアやインドは注目市場だが「海外ビジネス素人」の中小企業には苦労が多く、実りを得るには時間がかかり過ぎる、とみる。会社をつぶさない程度に試行錯誤する範囲の見極めがしにくい
A氏は続ける。
「例えば、バンコクは人件費が中国地方都市の1.2倍。だから中国生産で得る利益はとれないわけです。コストだけ考えるとバンコクには行けない。でも中国に留まるのは危なそうだ。じゃあ、動くにはいつがいいのか?の判断をしないといけません。が、その読み方が分からない企業が目につきます」