日清食品HDのベトナム子会社が即席麺を製造しているビンズン工場(日清食品HD提供)【拡大】
ベトナムで日本の即席ラーメン戦争が勃発しそうだ。ベトナムの即席麺市場はエースコックのシェアが飛びぬけて高いが、日清食品ホールディングス(HD)が昨夏、同国南部の子会社工場でノンフライ麺の製造を開始した。平均年齢が低く“若い”ベトナムは消費市場としての成長が見込まれるためだ。中国一極集中を回避する“チャイナプラスワン”が取り沙汰される中、ベトナムに目を向ける日本企業が増えるかもしれない。
消費市場としての魅力
お金持ちの娘がラーメンを食べながら、しきりにため息。そこで父親が部下に指令を出し、おいしいラーメンを探させる。やがてラーメンを積んだトレーラーがヘリコプターで空輸され、娘はご満悦。トレーラーの車体には「日清」のマークが。
ベトナムの南部地域で、こんなCMが流れている。
日本企業のベトナムでの即席麺市場参入は、エースコックが1993年に、他社に先駆けて現地法人を設立し、65%ものシェアを持つ。約20年遅れで日清が参入した理由はなにか。