生産にせよ販売にせよ、海外に初めて出て一回目で上手くいくのは稀だ。それなりの失敗を重ね学習したあとに成功がある。但し、その途中の失敗が致命傷になってはいけない。だからといって緻密な事前調査に時間と費用をかけるのが厳しいのも中小企業の本音だ。
しかもアジアは北米や欧州と違い、「日本語が通じてしまう」機会も多い。ASEANは「外国」ではなく「ASEANという名の隣の庭」だと考えがちだ。そこでビジネス開発の敷居が低いと勘違いしてしまう。
中国からASEANへ風向きが変わりはじめている今だからこそ「非常に高い危険性が潜んでいる」、とアジアビジネスのエキスパートは注意を呼びかけているわけだ。
ASEANの国々も一つ一つ違う。それを「中国であれだけ苦労したのに、今さらゼロから一つ一つ追わなければいけないのか…」と最初から気落ちするのは早い。それぞれの国の共通点と相違点を比較しながら「勘所」をおさえるトレーニングをすれば済む。コツの掴み方次第で前進できる。
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ローカリゼーションマップとは? 異文化市場をモノのローカリゼーションレベルから理解するアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だ。
安西洋之(あんざい ひろゆき) 上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。今年は素材ビジネスやローカリゼーションマップのワークショップに注力。著書に『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのフェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih